マイ・スウィート・ビーンズ

齋藤崇治。東大博士課程で政治学を研究しています。

勉強会に向いている本とは何か PRML勉強会に参加してみて

PRMLこと、ビショップ『パターン認識機械学習』(丸善出版)の輪読会に参加している。機械学習に興味がある人であれば知らない人はいないであろうこの本を、オーソドックスに輪番で内容を紹介していって、最後に章末の問題を輪番で解いていくという方法だ。

 

本を読んでの勉強会は大きく二つあると思う。一つは、読んで感想や思ったことを言い合う勉強会だ。もう一つは、素直に書いてあることを理解するための勉強会だ。多くの場合、PRML読書会は後者であろう。

 

これまで私は何冊か自主勉強会で読んできたが、この本ほど内容理解のための勉強会(授業は除く)で読むにふさわしい本はないと思う。その最大の理由は、関連教材がネットで多数公開されていることである。すなわち、世界中に読者と同様の勉強会を行なった人がいるのである。例えば、以下のページでは、章末問題の解法が大体記載されている。

github.com

刊行されて15年近く経つが、やはり世界中に読者がいる本は学習環境が違う。おかげで、こうした教材の手を借りつつ、関連知識の勉強をしながらなんとか勉強会に参加している。どんなに有名な本でも新刊ではこうはいかないだろう。例えば、PRMLが刊行されたばかりの状況で勉強会をしたとして、私のような読者は絶対太刀打ちできない。

 

また、これまで勉強会では本の要点をスライドでまとめるという方法を私はとってきた。しかし、このように内容の濃い本はスライドにまとめるというスタイルはデメリットが大きいように感じる。今回の勉強会では、文化の違いか、本文を読んでいくスタイルの人が散見される。折角Zoomで画面を共有できるのだから、本文を映しつつ逐行で解説していくスタイルの方が取りこぼしや分かった気になることを防げて良いのではないか。

 

ということで今日も楽しく勉強している。