マイ・スウィート・ビーンズ

齋藤崇治。東大博士課程で政治学を研究しています。

オーバードクターは何を食って生きているのか〜オーバードクター用職探し体験記〜

中にいるのと外から見るとでどうも印象が違うものにオーバードクター問題がある。オーバードクターとは、「標準修業年限=3年を上回って博士課程に在籍すること」である。文科省もオーバードクターを問題として考えているらしく、たくさん資料が見つかる。例…

一流論文に「まねぶ」 ーコードからレプリケーション篇ー

「学ぶ」の語源と「真似ぶ」の語源は同じらしい。実際のところどうなのかは知らないが、私は「学ぶ=真似をする」という説明をえらく気に入っている。ということで、何か新しいことを始めるときに真似をしてみるというのはとても大事だと思う。 では、新しい…

勉強会に向いている本とは何か PRML勉強会に参加してみて

PRMLこと、ビショップ『パターン認識と機械学習』(丸善出版)の輪読会に参加している。機械学習に興味がある人であれば知らない人はいないであろうこの本を、オーソドックスに輪番で内容を紹介していって、最後に章末の問題を輪番で解いていくという方法だ。 …

構造的トピックモデル(stm)を論文で使うための私なりのプロトコル

トピックモデルとは、文書データの解析手法の一つである。トピックモデルを用いることにより、人手を介在させることなく、大量の文書集合から話題になっているトピックを抽出できる。また、それぞれの文書がどのようなトピックを持っているか分かる (岩田, 2…

MacでTeX環境をようやく構築した話 (備忘録)

LaTeXの環境をようやく構築した。 これまで環境構築が面倒だったので某オンラインLaTeXを使ってきたが、あまり一般的でないためか各種エラーが起きた時の対処をネットで調べてもさっぱり分からなかった。また必要なものは何もしなくてもパッケージ化してくれ…

読書家・研究者はAmazonを使い続けるべきなのか (2022年2月15日更新)

(注: 筆者はヨドバシ信者でしたが若干冷静になったので修正しました。それでも信者です。) まずはAmazon premiumを見直そう おそらく、現在20代後半の研究者・読書家は、大体学生時代にamazon premiumに入ったのではないだろうか。今は知らないが、私が学部…

「数行の言葉で理論を理解した気になりたい怠惰」と戦う 初めてのフォーマルモデル講義体験記

私は現在カリフォルニア大学バークレー校で客員(学生?)研究員という身分を得て研究を進めつつ先生方のご懇意で授業を受けている。恥ずかしながらゲーム理論の講義をとってガッツリコミットしたのはバークレーが初めてだ。秋学期に応用篇をとり、春学期に基礎…

SMBC信託銀行・楽天証券外貨送金サービスの若干の解説

先日以下の記事を書いた。 my-sweet-beans.hatenablog.com 要は言いたいことは、「楽天証券で円高時に買った外貨を株などで運用し、必要な時にSMBC信託銀行に移せば、外貨が必要になった時の為替リスクを低減しつつ資産運用もできる」ということである。これ…

留学・在外研究・出張のためにいかに外貨を準備するか 円高時外国株投資からの流用

研究者はなんだかんだ国際的な仕事である。国際学会出張やメンバーシップ、在外研究と外貨を使うタイミングは案外多い。ということで、以前外貨預入に対応したマルチマネー口座を作り、その口座に紐づいたデビットカードを作ることを勧める記事を書いた。 my…

2020年(2021Fall)PhD出願感想戦 ある不合格者の話

2020年末、私はアメリカPhD(政治学)に出願した。出願は今回で2回目である。前回は一校ウェイティング・リスト(補欠)には選ばれ現地にまで足を運んだものの、残念ながら最終的にrejectであった。そして今回はウェイティング・リストにもかからずあっさり終わ…

読書感想 『驚くほどシンプルで一生使える投資の極意』

最近、金融投資ブームに乗っかって株式投資を始めた。 なぜわざわざ「金融」「株式」とつけたかといえば、この本の影響である。 www.amazon.co.jp この本は、金融投資のテクニックではなく、もっと広い社会人の心構えをとくタイプの本だ。まず私たちは「健康…

国際査読誌掲載への道 随時追記

現在私は、取り組んでいる論文 "Supervision among Agencies for the President" を国際査読誌に通すべく改稿している。 sites.google.com 何かの参考になることを期待して、スケジューリングを記したい。既にたくさん言われていることだが、思った以上に時…

アメリカでの野菜ジュース選び

一人暮らしでの難題はいかにバランスよく栄養を摂取するかである。それが特に問題となるのは野菜だ。野菜は日持ちが短く、なかなか一人で幅広い栄養を摂取することは難しい。 そのため、日本にいる時から野菜ジュースに頼ってきた。日本にいる時は、「野菜一…

留学としての在外研究(2021/1/22更新)

博士課程における「留学」の場合、最近はPhD留学のことを指す場合が増えている。しかし、最終的に日本で博士号を取得する場合でも、「留学」は可能であるし、これまでも多くの日本の博士課程生が「留学」してきた。これは、学位を伴うものでなければ通常「在…

2020年振り返り

2020年は博士課程2年目であった。博士課程で行う研究が進む時期であり、博士課程の研究成果が出始める時期である。 しかし、コロナ禍である。私にとっても初の国際学会発表のための渡航キャンセルや、初の在外研究の縮小など影響は大きかった。とはいえ、博…

もしもアメリカ政治を勉強(研究)したいと思ったら 2021/01/25更新

アメリカ政治はニュースでよく見るし、身近な存在だ。 しかし、アメリカ政治(研究)にどのように入門するかは意外と難しい。今回は、アメリカ政治研究の入門~先行研究レビューの役に立つ論文・書籍を紹介したい。なお、私は、現代アメリカ政治(特に、大統領制…

自己紹介 2020/01/17更新

初めまして。齋藤崇治といいます。 twitter.com 東京大学大学院法学政治学研究科総合法政専攻博士課程で政治学の研究をしています。現在の研究テーマは、アメリカ政官関係です。政策をめぐる調整と、大統領の働きを主たる研究テーマとしています。(研究面は…

国内研究者外貨支払い問題 (2021/5/20更新)

研究者はなんだかんだ国際的な仕事である。修士・博士課程でも国際学会への参加することはもはや珍しくない。在外研究することもある。 そのため、外貨で支払う機会が多い。とはいえクレジットカードがあれば、私のように国内にいることが多い研究者の外貨支…